近年の働き方改革の促進、新型コロナウイルスの感染拡大に伴うリモートワークの普及などによって、働き方が急速に多様化しました。その為、「業務委託」を取り入れ、柔軟に使いこなしていく必要に迫られている企業も多くなっていると思われます。
しかし、契約形態の違いや注意点を正しく理解していなければ、トラブルを招きかねません。
そこで今回は、業務委託の契約形態について、ご紹介致します。是非参考にしてみて下さい。
業務委託とは
業務委託とは、自社で対応できない業務を外部の会社に任せ、成果物の納品や業務の遂行に対して報酬を支払うことをいいます。
さらに業務委託契約は業務内容によって、「請負契約」と「委任/準委任契約」の2つに分けられます。
請負契約
請負契約とは、成果物の納品によって、報酬を支払う契約です。
例)
・オウンドメディアブログの記事
・会社案内資料のデザイン
・注文住宅による自宅の建築
これらは決められた期日までに成果物の納品が必須となり、期限内に納品が出来なかった場合は、報酬が発生しなかったり、契約違反による賠償金を請求されたりする可能性があります。
委任/準委任契約
委任/準委任契約は、特定の業務の遂行に対して、報酬を支払う契約です。
また<委任>と<準委任>にも違いがあります。
委任契約・・・弁護士や税理士に法律行為を行う業務を委託する場合
例)
・弁護士への裁判の依頼
・不動産業者への土地売却依頼
準委任契約・・・法律行為以外を委託する場合
例)
・経営コンサルタント
・医療系の事務処理
・お客様相談室の電話対応
いずれも成果物の納品の有無はなく、特定の業務の遂行に対して報酬が支払われます。
請負契約と準委任契約の注意点
委任契約については法律行為を行う業務と分かりやすいですが、請負契約と準委任契約は同様の業務でも目的によって、変わってきますので注意が必要です。
例えばコールセンター業務において、「代表電話やお客様相談室等の問合せ窓口業務」の場合は、月間何件対応できるか成果物の定義が出来ない為、一般的には準委任契約となります。
しかし、テレアポなど架電を行い「月間100件受注する」などの成果物が明確な場合は請負契約となります。
同じコールセンター業務でも業務内容と目的により、契約形態が変わってきます。
後々のトラブルにならない為にも正しい知識を持って業務委託契約を締結することが必要です。