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AHT短縮でコールセンター効率大変革!

AHTとは?

AHTは「Average Handling Time」の略で、コールセンターやカスタマーサポートの業界でよく使われる用語です。
これは1つの顧客の問合せを処理するのに要する平均的な時間を示します。
AHTは通話時間、保留時間、後処理時間などを合計して計算されます。

実はこのAHTについて、言葉を知っている人は多いですが、「最適な時間が分からない」、「短縮してもどれくらいの効果が得られるかが分からない」という話をよく聞きます。
今回はAHTの変化で、コールセンターの応答率・必要席数がどれだけ変わるのか?について、アーラン式を用いて検証しました。

今回の検証において、以下を共通条件とします。

・20秒以内の応答を前提とした応答率
・目標応答率は90%以上
・AHT:10分、9分、8分の3パターン

AHTと必要席数と応答率

AHTの変化と席数と応答率一覧 ByアーランC式

https://www.teleweb.co.jp/i-teleblog/wp-content/uploads/2022/01/tottele_blue.jpg

AHTと席数の変化による想定応答率について、アーランC式で計算した結果です。
各AHTにおいて、応答率90%超となるポイントを色付けしてみました。

1時間あたり着信10件の場合の応答率

AHT3席4席5席
8分83%95%99%
9分78%93%98%
10分71%91%97%

1時間あたり着信50件の場合の応答率

AHT11席12席13席
8分92%96%98%
9分85%92%96%
10分73%84%92%

1時間あたり着信100件の場合の応答率

AHT19席20席21席22席23席
8分92%95%97%99%99%
9分79%87%92%95%97%
10分56%70%80%87%92%

AHTと必要席数

https://www.teleweb.co.jp/i-teleblog/wp-content/uploads/2022/01/tottele_red.jpg

まずは、目標応答率を達成するための必要席数が、AHTの変化によってどう変わるか?に絞って考えました。

1時間当たりの平均着信数が10件の場合

AHT必要席数応答率
8分4席95%
9分4席93%
10分4席91%

1時間当たりの平均着信数が10件の場合、各AHTにおける条件をクリア(応答率90%以上)するための必要席数と、想定応答率を抽出しました。

この条件での必要席数は、8分・9分・10分どの場合も4席となり、変わりませんでした。

1時間当たりの平均着信数が50件の場合

AHT必要席数応答率
8分11席92%
9分12席92%
10分13席92%

次に1時間当たりの平均着信数を50件と、大きく件数を増やしてみました。

AHTが8分の場合は11席、9分の場合は12席、10分の場合は13席と、目標応答率90%を達成するために必要な席数が変わっている事が分かります。

1時間当たりの平均着信数が100件の場合

AHT必要席数応答率
8分19席92%
9分21席92%
10分23席92%

最後に1時間当たりの平均着信数を100件と更に件数を増やしてみました。

AHTが8分の場合は19席、9分の場合は21席、10分の場合は23席と必要席数の違いが大きくなった事が分かります。

AHTと応答率

https://www.teleweb.co.jp/i-teleblog/wp-content/uploads/2022/01/tottele_yellow.jpg

今度は、席数は変わらずAHTが変わると応答率がどうなるか?を、検証しました。
AHT8分で応答率が90%を達成出来る際の席数を基準に、各AHTにおける応答率を抽出しています。

1時間当たりの平均着信数が10件の場合(4席対応想定)

AHT応答率占有率
8分95%33%
9分93%38%
10分91%42%

AHT8分で応答率90%以上を確保するための必要席数は4席ですが、AHT10分の場合も同じく4席で応答率は90%確保出来る結果となりました。

ただし、AHT8分とAHT10分では応答率に差が出た(95%⇔91%)他、コミュニケーターの占有率にも違いが出ています。

1時間当たりの平均着信数が50件の場合(11席対応想定)

AHT応答率占有率
8分92%61%
9分85%68%
10分73%76%

こちらは、11席&AHT8分で応答率90%を達成できます。

しかしAHT9分では85%、10分では73%と大きく応答率が下がる結果となりました。

1時間当たりの平均着信数が100件の場合(19席対応想定)

AHT応答率占有率
8分92%70%
9分79%79%
10分56%88%

こちらは、19席&AHT8分で応答率90%を達成できます。

しかしAHT9分では79%、AHT10分では56%と非常に厳しい応答率&占有率となってしまいました。

特にAHT10分の状況は、電話は繋がらず、従業員もかなり疲弊しやすい環境と言えるでしょう。

まとめ

今回はAHTの変化に対して、コールセンターの必要席数・応答率がどれだけ変化するか?について検証しました。
結果、対応件数が多いほど、AHTの変化に合わせて必要席数・応答率が大きく変わる事が分かりました。

AHTはセンター全体の平均対応時間であるため、一人の優秀なコミュニケーターが素晴らしい数字を出しても、全体ではあまり変わりません。
適切なFAQの作成やエスカレーションの整備、後処理の効率化等、コールセンターの全体設計を最適化する事が大切です。
その上で目標をメンバー間で共有する事で、最適なAHTによる快適なコールセンター運用が実現できるでしょう。

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橋本 直幸

橋本 直幸

旅行と読書が大好きなiマーケティング部の部長。コールセンター関連の最新トレンドや知識を共有し、皆さまの業務に役立つ情報を配信します。

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