昨今、「顧客視点」は、企業のサービス展開において、なくてはならない言葉となりました。
そこで本記事では、顧客視点を詳しく知るため、深掘りしてまとめてみました。
また、トレーニングで身に着ける具体的な方法も合わせて紹介します。
窓口担当者は、お客様との接点を通して、顧客視点を持って働かなければなりません。
~アジャイル型のコールセンター運用(仮)の原則の一つ~
常にお客様の視点で考え行動しよう。
~株式会社東京テレマーケティングの行動指針の一つ~
顧客視点とは
顧客視点の定義
そもそも、「顧客視点」とは何でしょう?
答えは、シンプルに「お客様目線での考え方」です。
しかし、シンプルな答えとは裏腹に、本当の意味で顧客視点を身に着け、日々の仕事で実践出来ている人は非常に少ないようです。
※筆者の私見
2つの顧客視点

「顧客視点」は、大きく分けると2種類に分けられます。
(A)特定のターゲットがいない汎用的な顧客の視点
一つ目は、汎用的な顧客視点です。ターゲットが大多数となり、企業側からの発信や、サポート体制の事前準備で活用出来ます。
特定のターゲットがいない汎用的な顧客視点の活用例
- CMや広告等で、大多数のお客様へ情報発信する際の想定
- 多くのお客様が問い合わせをするサポート窓口のフロー構築
(B)相対している特定の顧客の視点
もう一つは、今まさに相対している特定の顧客に限定した、顧客視点です。
商談相手はこれに当たります。
もし、営業担当者が顧客視点を持っていれば、成約率に直結するでしょう。
また、コールセンター等のサポート窓口においては、問合せ者様がこちらに当たります。
担当するコミュニケーターやSVが顧客視点を持っているかで、顧客満足度に大きく影響するでしょう。
顧客視点とペルソナ
汎用的な顧客視点を想定する場合、マーケティング手法で良く用いられるのが、ペルソナです。
ペルソナの活用方法

- まず最初に、ターゲットとなる顧客のイメージを想像します。
- この時、その顧客イメージに対して、「名前」「年齢」「性格」「趣味」「仕事」等、具体的なキャラクター設定を行ないます。
- そして、出来上がったイメージの顧客に対して、どのようにアプローチすると良いか?を検討します。
「特定のターゲットがいない汎用的な顧客視点」という前提でしたが、結局仮のターゲットを想像する形となっています。
これは、具体的なターゲットをイメージ出来た方が、質の高いアプローチを実現しやすいからです。
具体的なターゲットを描き、その人が何を求めているかを熟考する事で、顧客視点の精度が上がってくるはずです。
それでは次に、商談・問合せ中等、今相対している特定の顧客の視点を理解する方法を紹介します。
相対している顧客の視点を学ぼう
方法①:実践を積む
筆者が考える、顧客視点を身に着ける最良の方法は、実践を積む事です。
まず、人の考えは千差万別で、毎回同じ答えなどありません。そのため、顧客視点の正解は毎回異なるものとなります。
この時、唯一答えを知っているのは、相対しているお客様本人だけです。そして、そのお客様から本当のニーズを引き出せれば、本当の顧客視点を得られたと言えるでしょう。
人のニーズを引き出す技術は簡単ではありませんが、経験を重ねる事で、少しずつ確実に身に着くものでもあります。そのため、顧客対応の実践を重ねる事を推奨します。
方法②:ロールプレイング
また、もう一つ方法があります。
それは、ロールプレイング(=仮想実践)です。コールセンターでは御馴染みのトレーニングですが、顧客視点を培うためにも有効な手法です。
そして、このロールプレイングでは、一つポイントがあります。

研修受講者は、顧客(問合せ者)役を担当してください。
今回のロールプレイングで大切なのは、顧客の質問にどう答えるか?ではありません。顧客の立場に立ち、顧客がどう感じるか?を体験する事にあります。
そのため、研修受講者は、顧客側を演じる事で、顧客の視点に触れることが出来るでしょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
今回は、顧客視点とそのトレーニング方法について解説しました。
お客様が本当に必要とするものを提供する事で、企業は利益を得る事が出来ます。
顧客目線を身に着ける事で、提供するサービス価値も向上していくはずです。