昨今の人口減少の中で、現状の労働力を維持し続ける為には、少子高齢化もあり企業努力のみの取組では難しくなってきています。現在の生産性を維持・向上させる為には、設備投資等による省力化や、一人当たりの生産性を向上させる取組が必要となります。
今回は生産性向上のための省力化や効率化について、外部調査データを元に分析を行います。
①人材不足企業の企業価値維持向上のための取組
下図1.は、人材不足について、「中核人材も労働人材も不足している」と感じている企業について、企業価値の維持、向上のための取組の実施状況を経常利益の実績別にみたものです。
総じて、増益傾向にある企業の取組割合は減益傾向の企業の取組割合を上回っております。
業績との因果関係を示すものではありませんが、人材が不足している中でも増益傾向にある企業は、バックオフィスやフロントオフィスへのIT導入、省力化や作業負担軽減のための新技術導入による一人当たりの生産性の向上といった取り組みを行い、業務効率化を図っているという事が示唆されます。
図1.経常利益の実績別に見た、人材不足企業の企業価値維持・向上のための取組
⇒引用元:中小企業庁「中小企業・小規模事業者の人材確保・定着等に関する調査」
②人材不足を補い、企業価値を向上させるためのアウトソーシングの活用状況
人的資源の確保は必ずしも自社雇用によって生み出されるものではありません。自社の人材不足を補いながら生産性を向上させるため、アウトソーシングにより労働資源の確保、効率化を図ることもできます。
下図2.は人材が不足している企業について、それぞれ経常利益の傾向別にアウトソーシングの活用状況を確認したものです。
図2.経常利益の実績別に見た、人材不足企業のアウトソーシング活用状況
⇒引用元:中小企業庁「中小企業・小規模事業者の人材確保・定着等に関する調査」
アウトソーシングの活用方法は企業によって様々です。
「繁忙期におけるアウトソーシング」「高度専門業務のアウトソーシング」「非中枢業務のアウトソーシング」、人材不足企業においては適時適切に上手くアウトソーシングを行うことで、社内の人材不足を補いながら企業価値を維持・向上させていることが分かります。
今、直面している人材難の対策の一つとして、アウトソーシングを検討してみてはいかがでしょうか。