アジャイル型コールセンター:顧客満足を最優先
先日別記事で、アジャイル型のコールセンターについて、基本的な価値観と原則を紹介しました。
アジャイル型の運用を実現する事で、変化に強く応用力のあるコールセンターを実現できます。
今回は記事内で定義した原則の一つを深掘りしてみようと思います。
顧客満足を最優先し、価値のあるサポート窓口を継続的に提供します。
□アジャイル型のコールセンター運用(仮)の原則の一つ
サポートの満足 ≠ 商品・サービスの満足
「顧客満足を最優先」これを実現するためには、まず「顧客満足」とは何かを考える必要があります。
そして、サポート窓口のKPIはあくまでも窓口としての品質で、必ずしも本当の顧客満足と連動していない事を知るべきです。
例えば、スマートフォンゲームのサポート窓口があるとします。
- ゲームは楽しいが、サポート窓口の質は悪い
- ゲームはつまらないが、サポート窓口の質は高い
上記の場合、顧客満足が高いのはどちらでしょう?
少なくとも筆者は、「1.ゲームが楽しい方」が良いです。
仮にサポート窓口が最高品質の素晴らしい案内を実現しても、ゲームがつまらなければお客様が満足するはずはないです。
当たり前の話ですが、お客様の目的はゲームを楽しむことなのです。
一般的に用いられるサポート窓口の品質指標(応答率等)がいくら高くても、お客様が望むサービス体験(ゲームを楽しむ)には直結しにくいため、本当の顧客満足を得るのは難しいと言えるでしょう。
それでは、サポート窓口が本当の顧客満足に貢献する事は出来ないのでしょうか?
コールセンターで、本当の顧客満足を上げる方法
上の例では、サポート窓口に問合せをしたことで、お客さまがゲームを楽しむことに繋がれば、本当の顧客満足に貢献したと言えるかもしれません。
不具合や困りごとを解消する事でも、快適にゲームをする事には繋がるかもしれませんが、元々ゲームが楽しくなければそれも難しいです。
そしてサポート窓口が、楽しいゲームを提供する事に貢献する方法が一つあります。
それがVOCです!
VOC(Voice Of Customer = 顧客の声)を有効活用する事で、本当の顧客満足への貢献が可能です!
お問合せ時、お客様の生の声を聞き、ゲームの改善点を把握します。その上で開発チームにフィードバックし、よりお客様が楽しめるゲームを作っていく。
これを繰り返すことで、ゲームのクオリティが上がり、多くのお客さまがより良いサービス体験(ゲームを楽しむ)を得る事が出来るでしょう。
一例としてゲームで例えましたが、もちろん他の商品・サービスでも同じことが言えます。
多くの企業がVOC活動に力を入れているのはこういった理由です。
コールセンターの中だけを良くするのではなく、包括的にサービス品質を向上させることで顧客満足も向上させることが可能です。
実際当社では、VOCの活用こそがコールセンターが最も顧客満足に貢献できる要素であり、VOCの活用こそが本当の意味でのコールセンターの品質と捉え、全社を挙げて取り組んでいます。
まとめ
今回は本当の顧客満足とコールセンターについて検証してみました。
- 本当の顧客満足とは何か?
- 本当の顧客満足のために、サポート窓口では何が出来るのか?
一つの答えとしてVOCを挙げましたが、他にも答えはあるかもしれません。
ただしどんな答えであっても、顧客満足とはお客様の中にしかありません。
コールセンター側の目線ではなく、お客様の目線でお客様が何を求めているか?を考え行動していく事で、本当の顧客満足を得る事ができるでしょう。