人員不足の解決方法
今回は、コールセンターをはじめとする多くの企業が抱える重要課題「人員不足」についての考察です。
解決方法は「多めに採用する」です。
「そんな事は分かっている」「その採用が出来ないから困っている」
なんて声が聞こえてきそうです。
どうかお待ちください。
今回は「採用が出来ない」という状況の解消ではなく、人員不足の「根本的な原因」を洗い出し、正しい解決策を見出したいと思っています。
・・・そもそも採用自体は出来ている(事が多い)のです。
※当社も部署により差異があり一概とは言えませんが、一つの参考にご覧ください。
既存業務の人員不足はなぜ起こるのか?
人員不足の企業は、100人在籍が理想のチームで在籍95人であったり、10人が理想のチームで在籍8人であったりという具合に、十分とは言えない人員で運用している事が多いと思います。
そして、人員が1人不足する事の重大さは、母数が少ない少数のチームの方が大きいはずです。
例)100人のチームで5人足りないよりも、10人のチームで5人足りない方が問題は大きい。
奇妙なことに、人員が不足するチームでは、「100人のチームでは10人、10人のチームでは1人足りない」といった形で、その大小に関わらず同程度の割合で不足する事が多いようです。
採用自体が困難な場合100人のチームで90人迄集まる事がおかしく、逆に人が集まるなら10人のチームは充足しても良いはずです。
しかし、どちらのチームも少しずつ人員が不足し皆が悩んでいます。これは採用以外に原因がある可能性が高いです。
そして当社を例に採用数・離職数を調べてみると、実はほとんどのチームで一定の採用は出来ており、人員不足のチームは離職数に課題が多いことが分かりました。
既存業務の人員不足は何故起こるのか?
これは「採用」ではなく、「離職」が原因です。
※新規業務や既存業務拡大のように、純粋に要員増が必要な場合は採用が最重要です。
離職による人員不足の図解
少し具体的に見ていきます。
通常10人で運用しているチームがあるとします。
2人のメンバーが抜けた場合、残り8人となります。
その場合、異動や新規採用(仮:2ヶ月間)で2人を補充し、研修(仮:2ヶ月間)を実施します。
この4ヶ月を8人で運用するという期間が、人員不足と言えます。
採用難というのは、採用にかかる2ヶ月が3ヶ月、4ヶ月…と延びてしまい、人員不足の期間が延びる事に繋がります。
しかし、仮にスムーズに採用が出来たとしても、短い期間でも人員不足は生じているため、根本的な人員不足の要因はそこではありません。
人員不足はその前のメンバーが抜ける事(≒離職)で始まり、それこそが根本的な要因と言えるでしょう。
また、採用・研修が実っても、新人は早期離職しやすく、既存メンバーの離職もあり得ます。
研修修了の頃には新たな離職が発生する事で、人員不足が恒常化してしまうのが、よくある実態です。
「欠員⇒補充のための採用⇒また欠員」と、適正人員数に対して「0⇒マイナス⇒0⇒マイナス⇒」と循環するサイクルが、人員不足を恒常化させる実態と言えます。
人員不足の対策方法
離職率を下げる
一番確かな対策は、「離職率を下げる」でしょう。
これは長期的な視野で対策すべき重要事項ですが、特効薬として早期的に対策するのはなかなか困難です。
そこで今回は、確実に対策出来る方法を一つご紹介します。
多めに採用する
それが冒頭で述べた「多めに採用する」です。
事前に人員不足を解消する目標月を設定、その上でその月迄の離職者数も想定し、多めに採用する事で、慢性的な人員不足は解消に向かいます。
もちろん、「何人辞めても良い」と人材を使い捨てにするような考えは、間違っています。
これは絶対にしないでください。
しかしどんなに素晴らしい企業でも、離職者を0にするのは困難である以上、適正数での人員計画を立てる事を推奨します。
そして、離職や配置転換、キャリア形成も考慮した人員計画において、採用の適正数=欠員数とは限らない事を知ると、うまくいく可能性が上がるでしょう。
まとめ
今回は、人員不足の根本的原因と、その解決方法について紹介しました。
- 人員不足の根本的原因は、離職。
- 人員不足の対策方法は、①離職率を下げる。
- 人員不足の対策方法は、②多めに採用する。
例え採用難であっても、離職率を減らしつつ、余裕を持った人員計画を立てる事で、人員不足は解消に向かっていくでしょう。